輸入盤DVDでバレエを観よう！
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　二十世紀の最も偉大な振付家の一人と言われるジョージ・バランシンの振付作品です。
　バランシンのお膝元ニュー・ヨーク・シティ・バレエによる初演は1967年。物語のないアブストラクト・バレエ（抽象バレエ）ですが、「エメラルド」、「ルビー」、「ダイヤモンド」の3幕に分かれていて、全幕物として上演されました。
　「エメラルド」はフランス、「ルビー」はアメリカ、「ダイヤモンド」はロシアをイメージしていて、フォーレ、ストヴィンスキー、チャイコフスキー、とそれぞれ異なる作曲家の音楽が使われています。衣装や振付も、各国をイメージしたもの。
　エメラルド（フランス）の衣装はロマンティック・チュチュ。ダンサーは、フォーレの穏やな音楽に合わせて優雅に踊ります。続くルビー（アメリカ）では、レオタード風の真っ赤な衣装を身に着けたダンサーが、弾むようなリズムにのって走り回ります。そしてフィナーレを飾るダイヤモンド（ロシア）は、ラインストーンが豪華な白いクラシック・チュチュ、音楽はチャイコフスキー。この華麗な「ダイヤモンド」は、プティパの古典様式へのオマージュなのでしょうか。「ダイヤモンド」の初演キャストは、バランシンの晩年のミューズ、スザンヌ・ファレルでした。
　ニュー・ヨーク・シティ・バレエの「ジュエルズ」は、全幕映像はありませんが、「エメラルド」と「ダイヤモンド」（スザンヌ・ファレルが出演！）のパートがDVD収録されています。国内盤は入手困難ですので、輸入盤でぜひご覧ください。
　マリインスキー・バレエの『ジュエルズ』では、ウリヤーナ・ロパートキナが凛として清楚なダイヤモンドを踊っています。こちらもおススメです。

(2012.7.30)