「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」は、現在上演されているバレエの中で最長寿を誇る作品です。
 初演は1789年、フランス革命直前のボルドー。初演時のタイトルは、『藁のバレエ、または災い転じて福』というバレエ作品らしからぬタイトルで、音楽は「アヴィニョンの橋の上で」などの流行歌や民謡を集めて編曲されたものでした。
 1791年にはロンドンで上演され、この時初めて『ラ・フィーユ・マル・ガルデ(無益な用心)』のタイトルが付いたと言われています。(『リーズの結婚』というタイトルは日本での改題です。『無益な用心』では、やはりバレエ作品にはふさわしくない…と考えられたのでしょうか。)
 その後1828年にオペラ座で上演された際、フェルディナン・エロールが編・作曲を担当しました。
 このエロールの音楽にフレデリック・アシュトンが振付けたアシュトン版「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」(初演は1960年)が、現在最もよく上演されています。
 農園主の未亡人の娘リーズは、農夫コーラスと恋人同士。母親のシモーヌは二人の仲を認めず、リーズを金持ちの息子アランと結婚させようとする…。ストーリーの大枠は「ドン・キホーテ」と同じで、どちらも庶民的な物語、ではあるのですが、舞台全体の雰囲気はずいぶん違う。「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」はのんびりとした牧歌的なコメディです。バレエ評論家の長野由紀さんが、ニーナ・アナニアシヴィリがリーズを演じる舞台を見てとまどった、という経験を書かれていましたが、「ドン・キホーテ」よりずっと主役を選ぶ作品かもしれません。ザハロワはもちろん、オーレリ・デュポンのリーズ、というのもちょっと想像しにくい気がします。
 アシュトンのお膝元、英国ロイヤル・バレエでは、レスリー・コリアのリーズの評価がとても高いのですが、マリアネラ・ヌニェスも表情豊かに演じていて、意外なほど合っていました。ヌニェスを見るなら、「白鳥」よりこの「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」がおススメです。
                                                          (2012.5.9.)

バレエ作品 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 を、Wikipediaでチェック!

 

英国ロイヤル・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 (2015年)                                   

輸入盤

Opus Arte

NTSC, リージョンフリー <本編110分+特典映像14分>
収録:2015年 @コヴェント・ガーデン王立歌劇場
振付:フレデリック・アシュトン
出演:ナタリア・オシポワスティーヴン・マックレー

参考価格¥3,095 (2017.8.15 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認 / HMV&BOOKS
こちらも同じ映像です。

Blu-rayあります
参考価格¥3,699

Opus Arte

   リーズ:ナタリア・オシポワ、コーラス:スティーヴン・マックレー、シモーヌ(リーズの母):フィリップ・モーズリー、
アラン:ポール・ケイ、トーマス(アランの父):クリストファー・サウンダース 
youtubeで映像の一部を見る! 



英国ロイヤル・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 (2005年)

輸入盤

Opus Arte

NTSC, リージョンフリー <112分>
収録:2005年 @コヴェント・ガーデン王立歌劇場
振付:フレデリック・アシュトン
出演:マリアネラ・ヌニェスカルロス・アコスタ

参考価格¥3,287 (2015.11.10 @アマゾン・マケプレ)
アマゾンで詳細確認

Blu-rayあります
参考価格¥5,032
Opus Arte

国内盤
詳細確認
定価¥5,184

   出演:
リーズ:マリアネラ・ヌニェス、コーラス:カルロス・アコスタ、シモーヌ(リーズの母):ウィリアム・タケット、
アラン:ジョナサン・ハウエル、トーマス(アランの父):デヴィッド・ドリュー、若い雄鶏:ジャコモ・チリアーチ
その他の出演者、映像など詳しく見る。



  オーストラリア・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』  

輸入盤

Opus Arte

NTSC, リージョンフリー <104分>
収録:1989年6月 @メルボルン、ヴィクトリア・アート・センター  
振付:フレデリック・アシュトン
出演:フィオナ・トンキン、デヴィッド・マカリスター

参考価格¥1,422 (2012.5.8 @アマゾン・マーケットプレイス)
アマゾンで詳細確認

国内盤
詳細確認
定価¥3,675

 

   デアゴスティーニ・バレエDVDコレクション第57号はこの舞台映像と同じものです。
出演: リーズ: フィオナ・トンキン、 コーラス: デヴィッド・マカリスター
youtubeで映像の一部を見る!



バーゼル・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』  

輸入盤

Deutsche Grammophon

NTSC, リージョンフリー <77分>
収録:1986年6月 @ウィーン、コンツェルトハウス
振付:ハインツ・シュペルリ
出演:ヴァレンティナ・コズロワ、クリス・イェンセン

参考価格¥3,224 (2013.5.23 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認

 

 

   ※アマゾンではリージョン1と記載されていますが、リージョンフリーです。
出演: 
リーズ: ヴァレンティナ・コズロワ、 コーラス: クリス・イェンセン
youtubeで映像の一部を見る!



英国ロイヤル・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 (1981年) 
ワーナーミュージック・ジャパンから2012年3月7日に廉価版が発売されました。

国内盤

ワーナーミュージック

<96分>
収録:1981年1月 @コヴェント・ガーデン王立歌劇場 劇場
振付:フレデリック・アシュトン
出演:レスリー・コリア、マイケル・コールマン

定価¥2,000
アマゾン / 楽天ブックス / HMV&BOOKS 

 

   デアゴスティーニ・バレエDVDコレクション第32号はこの舞台映像と同じものです。
出演:
リーズ: レスリー・コリア、コーラス: マイケル・コールマン、未亡人シモーヌ: ブライアン・ショウ、
トーマス: レスリー・エドワーズ、アラン: ギャリー・グラント
youtubeで映像の一部を見る!



英国ロイヤル・バレエ 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 (1962年)  

輸入盤

Ica Classics

NTSC, リージョンフリー <90分>
収録:1962年12月27日 @ロンドン、BBCスタジオ
振付:フレデリック・アシュトン
出演:ナディア・ネリナ、ディヴィッド・ブレア

参考価格¥2,708 (2013.5.23 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認

 

 

   ※アマゾンではリージョン1と記載されていますが、リージョンフリーです。
出演;
リーズ: ナディア・ネリナ、コーラス: ディヴィッド・ブレア、未亡人シモーヌ: スタンリー・ホルデン、
アラン: アレクサンダー・グラント、トーマス: レスリー・エドワーズ
youtubeで映像の一部を見る!





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