「ライモンダ」の初演は、1898年、マリインスキー劇場。マリウス・プティパ最後の大作です。音楽を担当したのはアレクサンドル・グラズノフ。グラズノフにとっては最初のバレエ音楽でした。
 プティパの晩年の作品のせいか、「ライモンダ」には、プティパ様式がてんこ盛り。オーロラ姫を思い出させるようなライモンダの登場、「ラ・バヤデール」や「ドン・キホーテ」にもある夢のシーン、プティパ作品には欠かせない異国情緒たっぷりのディヴェルティスマン…などなど。 ニキヤもスカーフを持って踊っていたし。(スカーフの長さはかなり違いますが。) キーロフのセルゲイエフ版(1948年)、ボリショイのグリゴローヴィチ版(1984年)などの改変版が上演され、“白い婦人”が登場しない演出もありますが、基本的にはプティパ版に沿った展開になっているようです。
 はっきり言うと、「ライモンダ」というのは、かなり退屈な話だと思うのです。ストーリーは盛り上がりに欠けるし、「眠れる森の美女」のような豪華さも無し、異国情緒という点でも「ラ・バヤデール」ほどのインパクトはないし… 「眠れる森の美女」の二番煎じと言われても仕方ないかも。とはいえ、オーロラ姫という役がダンサーを選ぶのに対し、ライモンダには明確なヒロイン像がありません。主演ダンサーその人の個性が、そのままライモンダの魅力となって反映されるので、許容範囲が広いキャラクターと言えます。ライモンダの踊りにはグラン・フェッテのような派手な振付こそないものの、ポワントでの高度なテクニックを要求されるし、ソロの踊りも多い。ダンサーの魅力を発見できる作品です。
 プティパ版を復元した最新映像、ミラノ・スカラ座の「ライモンダ」は、客演のオレシア・ノーヴィコワがとてもチャーミングなライモンダを演じています。ポワントでのテクニックも素晴らしく、衣装やセットも豪華!で、「ライモンダ」のイチ押し映像です。 
 男性陣が目立たない原典版に対し、悪役アブデラフマンが大活躍するのは、ボリショイのユーリー・グリゴローヴィチ版。 物語を楽しみたい方には、ゲジミナス・タランダの怪演が光るボリショイの「ライモンダ」もおススメです。
                                                        (2013.4.25)


バレエ作品 『ライモンダ』 を、Wikipediaでチェック!
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  ノーヴィコワ & フォーゲル 『ライモンダ』  ミラノ・スカラ座バレエ

輸入盤

Arthaus Musik

NTSC, リージョンフリー <154分>
収録:2011年 @ミラノ・スカラ座
振付復元:セルゲイ・ヴィハレフ
出演:オレシア・ノーヴィコワ、 フリーデマン・フォーゲル

参考価格¥3,139 (2013.4.25 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認 // Boxセットもあります。

国内盤
詳細確認
定価¥5,400

新書館

Blu-rayあります 参考価格¥4,097

Arthaus Musik

   出演: ライモンダ: オレシア・ノーヴィコワ、 ジャン: フリーデマン・フォーゲル、 アブデラフマン: ミック・ゼーニ
  ⇒ その他の出演者、映像など詳しく見る。


 

  ボリショイ・バレエ 『ライモンダ』  ナタリア・ベスメルトノワ

輸入盤

Arthaus Musik

NTSC, リージョンフリー <125分>
収録:1989年 @ボリショイ劇場
演出・振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:ナタリア・ベスメルトノワ、 ユーリー・ヴァシュチェンコ

参考価格¥3,999 (2013.4.25 @アマゾン・マーケットプレイス)
アマゾンで詳細確認 // Boxセットもあります。

国内盤
廃盤
定価¥3,990

 

   ※アマゾンではリージョン1と記載されていますが、この ArtHaus Musik のボリショイ・シリーズはリージョンフリーです。
出演: ライモンダ: ナタリア・ベスメルトノワ、 ジャン: ユーリー・ヴァシュチェンコ、 アブデラフマン: ゲジミナス・タランダ
  ⇒ その他の出演者、映像など詳しく見る。


 

  ボリショイ・バレエ 『ライモンダ』  リュドミラ・セメニャーカ

輸入盤

Kultur

NTSC, リージョンフリー <146分>
収録:1984年 @ボリショイ劇場
演出・振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:リュドミラ・セメニャーカ、 イレク・ムハメドフ

参考価格¥3,072 (2013.4.25 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認

 

 

   演出・振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
出演: ライモンダ: リュドミラ・セメニャーカ、 ジャン: イレク・ムハメドフ、 アブデラフマン: ゲジミナス・タランダ
  ⇒ youtubeで映像の一部を見る!


 

  キーロフ・バレエ 『ライモンダ』  イリーナ・コルパコワ  

輸入盤

Vai

NTSC, リージョンフリー <131分>
収録:1980年 @キーロフ歌劇場
出演:イリーナ・コルパコワ、 セルゲイ・ベレジノイ

参考価格¥3,501 (2013.4.25 @アマゾン)
アマゾンで詳細確認

国内盤
廃盤
定価¥3,990

新書館

 

   演出・振付: コンスタンチン・セルゲイエフ
出演: ライモンダ: イリーナ・コルパコワ、 ジャン: セルゲイ・ベレジノイ、 アブデラフマン: ゲンナジー・セリュツキー
  ⇒ その他の出演者、映像など詳しく見る。





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